タンスや食器棚。テレビ台やリビングボード。
ものを収納できる箱物家具には、扉がついているものが多いです。ほこりよけにもなりますし、中にしまったものがぐちゃぐちゃでも、扉を閉めちゃえば見えなくなるのでスッキリしますよね。
そんな箱物家具にあたりまえのようについている扉、意識したことありますか?
扉といえば引き戸と開き戸
箱物家具についている扉には、大きく分けて引き戸と開き戸があります。
引き戸は、ふすまとかみたいに横にスライドさせて開け閉めする扉。スライド扉とかともいいます。
一方開き戸は、手前に引いて開く扉。車のドアみたいなヤツですね。
他にも折れ戸とかフリップ戸とかありますが、それらも開き戸の一種なので、まぁ、大きく分ければ引き戸と開き戸に分けられると思います。
引き戸のいいところといまひとつなところ
引き戸は、横にスライドさせて戸を開けます。ということは、扉の前にスペースがあまりなくても開けることができますよね。
狭いキッチンとか、ベッドとタンスでいっぱいのお部屋でも、人が前に立てるくらいのスペースがあれば、物の出し入れができるということです。省スペースなんですね。
ボクが家具屋の店員だったころ、使っていた家具を引越し先に持っていったら、タンスとベッドのあいだが狭くてタンスの扉が開けられなくなっちゃったので扉の小さいタンスを探しにきた、というお客さんがいましたが、迷わず引き戸のタンスをすすめました。
また、引き戸は、地震のときに扉が開いてしまって中のものが飛び出してしまうという危険性が、多少ですが少なくなります。
逆に、スライドさせて戸を開くということは、スライドさせた側は同時に開くことができません。そう、引き戸だと、片側しか開けられないんですね。
たくさんの洋服を見て今日着る服を選びたい、とか、このお料理にはあの食器とこの食器を使おうとか一度に取り出そうとしても、できないこともあるわけです。
全開にして全部見ながら中のものを選ぶ、という人にはストレスかもしれませんね。
開き戸のいいところといまひとつなところ
開き戸は、手前に引いて扉を開けます。
扉を全部開けて、全開にできるので、物の出し入れとかラクですし、一度に中のものを確認できます。デザインも開き戸のほうが豊富で、なんだかんだいっても開き戸の家具が多いですね。
でも、開き戸だと、戸の前に開くためのスペースが必要になります。前に立って開くわけですから、扉のサイズプラス人が立つだけのスペースも必要になります。
けっこうあるんですよ、置いてみたら扉が少ししか開けられない、なんてことが。
買う前によく考えてみよう
どちらを選ぶにしても、まず置く場所のスペースの確認と、自分がどういうふうに使うかをよく考えることが大事です。
あ、これだ!と一目ぼれして開き戸のものを買ったはいいけど、置いてみたら扉を開けるのがたいへん、とか、省スペースだから引き戸にしよう!と買ったはいいけど、これを出すために右を開けて、あれを出すために左を開けて、とかめんどくさい!なんてことになったらイヤでしょ?
デザインだけじゃなくて、使い勝手だけでもなくて、そのへんのバランスをよく考えて買わないと、後悔しちゃうかも知れません。家具なんてそうそう買い換えるものじゃないですから、失敗しないようによーく考えてみましょう。